プログラミング教育の重要性・メリット
2020年から小学校でプログラミング教育が必修化された事はもう皆さんご存じでしょう。
そして2024年の大学入試共通テストからプログラミングの知識が必要になってきます。
このように急速に学校でプログラミングを取り入れはじめた理由を皆さんは考えたとはあるでしょうか?
「IT産業で就職しやすくする為?」
「小学生は他の教科を覚えた方がいいのでは?」
と色々な意見があると思います。
ですが、小学校でプログラミング教育を必修化した理由は技術的な事を覚えるためではありません。
この記事ではプログラミング教育の重要性が増した背景と理由、子どもたちがプログラミング教育を学ぶことのメリットを、はじめてプログラミング教育について考えた親御さんにも理解できるように解説していきます。
プログラミング教育必修化の背景
社会的背景の変化
プログラミング教育が必修化になった要因として現在の社会的背景が関係しています。
この記事を読んでいる方は今、世界は第4次産業革命、つまり知的産業革命に突入している事を知っていましたか?
第4次産業革命を簡単に表すと、情報を扱う仕事が産業の中心になりつつあると言い換えられます。
情報分野の市場規模は2010年度が10兆円だったのに対し2020年には47兆円と10年間で4.7倍の成長速度!
自分たちの生活を振り返ってみればスマートフォンやタブレットは当たり前になっていますよね。
何かを調べる時も最初スマートフォンでインターネットを検索するでしょう。
便利なアプリも増えましたね。
何気ない事、例えば駅の自動改札は今、当たり前になりつつありますが、自動改札も情報を処理するAI技術と知っていましたか?
自動運転やIoT(物のインターネット化)などはまだ先の話ではなく、ICT(情報通信技術)は実はすでに生活で必要な技術になっているのです。
しかし、普段使っている情報通信技術の中身はブラックボックス化している現状があります。
例えるなら、材料が全くわからない未知の料理を食べてる状態です。あまり想像したくありませんよね。
今までは、人工知能やIoT(物のインターネット化)を作る側が技術を知っていれば問題ありませんでした。
しかし、今後さらに生活の中でIT(情報技術)が当たり前になってくる世の中では、使う側も仕組みを知っている必要性がでてきました。
例としてネット社会が発達すればネットを使った犯罪の数は当然増える可能性があります。しかしネットを使った犯罪に対して知識があれば事前に防げる場合もあるでしょう。
この例は極端ですが、仕組みがわかって使う場合と、わからないで振り回される場合では生活だけではなく仕事でも効率が全く違って来ますよね。
プログラミング教育は2030年には78.9万人も人材が不足する可能性があるIT分野の人材確保の部分もあります。
それ以上にプログラミング教育を通じて、幼いころから情報通信技術に触れることによって、自分たちが使っている物・情報の技術・仕組みを積極的に知る方法を自然に身につけてもらう事を目的としているのです。
プログラミング的思考の必要性
プログラミング教育はプログラミング的思考を養うことを第一のテーマとしています。
プログラミング的思考とは
物事・問題を順序だてて整理し、試行錯誤し、物事を解決する
考え方の事です。
コンピューター・ロボットは自分で考える事ができませんから指示を与えなければいけません。
指示を与える場合、最初にコンピューター・ロボットの理解できる言葉で指示に必要な言葉を集めます。
次に、集めた言葉をあいまいな部分を無くし、細かく順番に並べなくてはいけません。
人に何かを頼むときは「あれ取って」とか「そっちに行って」で通じますが、コンピューターは「あれ」、「そっち」では動かないのです。
また、コンピューター・ロボットに必要な指示を与えたと思っても、指示通り動かない場合が多々あります。
その時、今度は何が悪かったのかを探し、試行錯誤を繰り返し、最適な方法を探さなければいけません。
コンピューター・ロボットを動かすまでのこの一連の作業が、論理的思考つまりプログラミング的思考そのものなのです。
プログラミング教育はコンピューター・ロボットを動かすまでの過程を体験することにより自然にプログラミング的思考を身につけさせる教育方法となります。
プログラミング的思考は将来、他人とのコミュニケーションをとる上で物事をわかりやすく伝える為に役立つでしょう。
また仕事を効率よく的確に行うためにも必要と考えます。
そして今後さらに情報を受け身ではなく積極的に必要な情報を得る能力が必要でしょう。
プログラミング教育はプログラミングを通して、自分にとって何が必要かを選び整理し、選んだ情報を使いこなす能力を自然に身につけてもらう教育であるといえます。
プログラミング教育のメリット
ここまでも記事の中でメリットは解説してきましたが、ここまで解説してきたことも含めて、小学校でプログラミング教育を学ぶ効果をメリットとしてまとめてみました。
プログラミング的思考を養える
小学校でプログラミング教育を学ぶメリットとしてプログラミング的思考が養える事が最大のメリットです。
プログラミングを行う過程で養われた情報を整理し必要な情報を的確に使う能力。
トライアンドエラーを繰り返し最適解を導き出す過程では問題解決能力が養われるでしょう。
これからの社会で生き抜くための基礎能力を小学生から徐々に学べる環境といえます。
今の子どもたちは、私達の世代では考えられない素晴らしい環境で学べているのではないでしょうか。
想像力・創造力を養える
プログラミングは完成した姿をイメージ・想像しながら行っていきます。
逆に考えると完成した姿をイメージできないと、上手にプログラムが組めません。
プログラミング教育はプログラミングを通して子どもたちの想像力も養うことが出来ます。
そして子どもたちが自分たちも作る事ができるとわかると、今度は新しい物を作りたいと創造力を持ち始めます。
ゼロから新しい物・サービスを作り出す能力は、今まさに発展中の情報通信技術の世界では必須の能力になるでしょう。
子どものころから自主的に何かを作りたいと考えられる環境は子どもの健やかな成長の為にも必要ではないでしょうか。
他の教科の理解力を深めるのに役に立つ
小学校のプログラミング教育は「プログラミング教育」という教科を新設したわけではなく現在の教科の中にプログラミング的思考を取り入れて現在の教科の理解を深めると共にプログラミング的思考を養う教育方法です。
各教科へプログラミング教育を取り入れた実践例は文部科学省・総務省・経済産業省が共同で作っている
プログラミング教育ポータル
というサイトで日々更新されていますので1度見てみると良いでしょう。
私達が受けていた授業と全く違った方法で、自主的に学んでる子どもたちを感じることができますよ。
将来の仕事の幅が広がる
IT産業の需要は将来さらに増えて、プログラマー・システムエンジニアの需要も増えることが予想されますが、必ずしもIT分野に就職する必要はありません。
プログラミング教育で養ったプログラミング的思考は
- 物事を整理して相手に伝えるプレゼン
- 仕事のための情報収集
- 新しい商品の開発・企画
など、どの分野の仕事にも役に立つでしょう。
プログラミングを通して養った創造力はゼロから新しい仕事を作る、つまり起業の可能性だってあります。
幼いころから創造力と情報を整理して活用する能力を養える今の環境でしたら、「子どもの将来の夢が起業家」は夢物語ではないかもしれませんね。
まとめ
プログラミング教育は情報が産業の中心となってくるこれからの社会で、子どもたちが進みたい方向を決める為に大切な教育の1つでしょう。
同時にプログラミング教育が必修化になった事だけでなく、小学校で英語や道徳が教科として取り扱うようになったことも注目すべきことです。
これは幼いころから順を追って物事を考え計画性を持つ能力を養うと同時に、人の持つやさしさや融通性などの感情も養う必要もあると考えての教育の方向性と考えます。
親御さんはグローバル化する社会において、子どもたちが将来自らの足で歩き続ける為には、従来の覚える為の教育ではなく、自ら考える力を養う教育が必要になったと考えを変える必要があります。
プログラミングは小学生を子どもに持つ親御さん世代には馴染みのない分野です。
ですが、今からの時代、プログラミングは子どもたちだけではなく自分たちも知らなければいけない事としっかり受け止める必要があるでしょう。
その上で、子どもたちと一緒に将来を考えることが必要ではないでしょうか。
この記事で小学生を子どもにもつ親御さんが、プログラミング教育の可能性を感じていただけたなら幸いです。
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